ネットフリックスオリジナルドラマ「クイーンズギャンビット」の第五話に出てくるチェス用語やチェスに関する発言について解説していきます。
レビューや感想ではないのでストーリーのコア部分についてのネタバレはありません。
用語
タイトル:フォーク
両取りのことです。
将棋では角を使った「王手飛車取り」が最も有名な両取りですが、それぞれの駒が将棋よりも強力なチェスの場合には、ポーンを含めすべての駒で両取りをすることができます。
フォークと言う名前の由来は、ナイトの駒で両取りを掛けた場合に、その駒の配置が食器のフォークの形になっているためです。
関連ページ:【チェスの手筋】フォーク【両取り】
ピン
後ろに重要な駒がある相手の駒に攻撃判定を当てて、その駒を動けなくする戦術。
上の図では白がビショップで黒のルークをピンしています。
ルークは動くとキングが取られてしまうので、強制的にその場から動けない状態となっています。
関連ページ:【チェスの手筋】ピン(ピン・アップ)【田楽刺し】
アレキン
アレキサンドル・アレキン、1910~20年代に活躍したロシアの世界チャンピオン。
日本語表記はアレヒン、アリョーヒンも使われますが、アレヒン表記が一番多い印象です。
スパスキー
物語中の世界チャンピオンのボルゴフの過去の対戦相手として名前が出る選手の一人。
実在の人物で1969~1972年の世界チャンピオン、ボルゴフのモデルと思われる人物です。
詳しくは第四話のボルゴフの解説でしています。
関連ページ:【NetFlix】クイーンズギャンビット第四話の用語解説【ミドルゲーム】
フィリドール
1700年代のフランスの強豪チェスプレイヤーで作曲家。
フィリドール・ディフェンスという定跡に名前が残っている。
モーフィー
1800年代前半のチェスの強豪プレイヤーで現代チェスの先駆けとされる人です。
駒のタダ捨てなどの派手な戦い方がベスに似ていると劇中で言われています。
余談ですが物語中のチェスの駒の動きは、過去のプロプレイヤーたちの棋譜をそのまま使っているものが多いのですが、次の第6話ではモーフィーの棋譜をベスが指しています。
ルイ・ロペス
最も有名かつ基本とされるチェスの定跡の名前、またはその名前の元となった1500年代後半のスペインのチェスプレイヤーで非公式ながら世界チャンピオンだったルイ・ロペス・デ・セグラさん。
中央のポーンとキング側のポーンとナイトを展開するという序盤の基本を詰めたような定跡なので、チェスを始めたら一番最初に習います。
ただし序盤付近から派生も多く、一撃で不利になる変化もあったりするため、実践的には初心者向けとは言い難い定跡ではあります。
関連ページ:【オープニング】ルイ・ロペス【1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5】
ブリッツ、バグハウス
試合のルールのこと。
ブリッツは持ち時間3~10分程度の早指しのことで、バグハウスはアメリカで人気のある4人でプレイする特殊ルールです。
劇中ではコーヒーを買いに来ていたベスはベニーに持ち掛けられて持ち時間3分ぐらいのブリッツで対戦しています。
関連ページ:【ルール】チェスの持ち時間【スタンダード、ラピッド、ブリッツ、フィッシャー方式】
全米チャンピオンの賞金額
第四話の流れでお金の話をする人がいなくなったのでこの話題が出ませんでしたが、ベスが一つの大会で獲得した賞金としては一番大きかったはずです。
参考として現在のUSチャンプの賞金は5万ドル(500~550万円)となっています。
関連ページ:チェスのプロプレイヤーの獲得賞金ランキング【意外と少ない!?】
まとめ
ダドリーふたたび。
関連ページ:【Netflix】クイーンズギャンビットの記事一覧