【オープニング】ルイ・ロペス【1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5】

チェスのオープニングの一つルイ・ロペスについてです。

別名「スペイン定跡」「スペインゲーム」「スパニッシュゲーム」等と呼ばれるこの定跡は、スペインのチェスプレイヤー「ルイ・ロペス・デ・セグラ」によって考案されました。

有田謙二氏の著書定跡と戦い方によると

ポーンをセンターに出して,ナイトをビショップより先に出す。そしてすぐにキャスリングするのはチェスの基本。その意味でルイ・ロペスはオープニングの基本形である。

としています。

このページではこの定跡の基準系である1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5までを見ていきます。



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それぞれの手の意味と狙い

ルイ・ロペスまでの手順

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5

白e4

キングの前のポーンの突き出しです。中央制圧を狙うことと同時にクイーンとビショップが動けるようになり白の盤面上の制圧範囲が一気に広がりました。

黒e5

先手とほぼ同様の意味です。先手からd4にポーンを突かれて中央を制圧されるのを嫌った手でもあります。

ちなみに1手目e4 e5で始まる定跡を「オープンゲーム」といいます。ルイ・ロペス以外にも何種類かあります。

白Nf3

黒がe5へ上げたポーンは紐がついていない(他の駒で守られていない)状態なので狙いに行く手です。

またキングを右側へキャスリングするための準備でもあります。

黒Nc6

ナイトを跳ねて狙われているe5のポーンを守りに行きます。

ここでf6へポーンを上げて守る手だけはやってはいけません。このページ下部で紹介しますが悪手とされる手です。

白Bb5

ビショップを展開します。この手の狙いはc6のナイトを取って次にポーンをタダで取る狙いと、キャスリングの準備をするのが狙いです。

以上でルイ・ロペスの基本形まで進みました。

ここから何種類か分岐があり、それぞれにまた名前がついています。大別すると黒が3手目でa6とするモーフィ・ディフェンスとそれ以外にとなります。

ここからの変化

ルイ・ロペスは黒が3手目に何を指すかによって多くの変化があります。

黒の3手目以降の変化と名称

  • バード・ディフェンス(3.黒Nd4)
  • クラシカル・ディフェンス(3.黒Bc5)
  • フィアンケット・バリエーション(3.黒g6)
  • ベルリン・ディフェンス(3.黒Nf6)
  • シュタイニッツ・ディフェンス(3.黒d6)
  • シュリーマン・ディフェンス(3.黒f5)
  • コツィオ・ディフェンス(3.Nge7)

黒3手目a6の場合の変化

また黒が3手目でa6を指した形をモーフィ・ディフェンスと呼びその先の変化で何パターンか名称がついています。

ルイ・ロペス自体はオープニングの考え方を凝縮した定跡なのですが、上記のように変化が多いので実は初心者向けとは言い難い側面もあります。

ルイ・ロペスの豆知識

ルイロペスの勝率

ChessOK.comというサイトでの統計によると白40.7%/黒26.6%/引き分け32.7%(サンプル数164018)

黒2手目でf6としてしまったらどうなる

白が2手目にナイトを跳ねた手に対して、e5ポーンを守るために黒がf6へポーンを突き出した場合です。初手からe4 e5 Nf3 f6まで進んだこの形にもダミアノ・ディフェンス(通称ダメナノ・ディフェンス)という名前があり、昔は定跡だったようです。下で一例をあげてみます。

白がナイトを早々と捨て、ナイトただやんと取りますとクイーンでチェックされつつルークを取られ先手の勝勢となります。

他にも変化はありますが、黒2手目f6はどう転んでも白有利にしかならない悪手で、名前のある定跡ですがこの展開を知りながら指す人は皆無です。

詳しくはダミアノ・ディフェンスにて解説しています。

名前の由来:ルイ・ロペス・デ・セグラについて

Ruy_Lopez_de_Segura

ルイ・ロペス・デ・セグラ(1530~1580)

スペインのカスティーリャ(現バダホス県)のサフラ生まれ。

1560-1575年の世界チャンピオン(非公認)。当時は持ち時間というものがなかったためFIDE(国際チェス連盟)が公認しておらず非公認のチャンピオンという扱い。

1580年、暗殺される。

ヨーロッパではじめてチェスの書籍を出したり、世界初のチェスの世界チャンピオンだったりとチェス業界ではかなりすごい人。

本業はカトリックの司祭。ちなみに司祭は英語でビショップといいます。

関連ページ:オープニング一覧

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