2010年以降、e-sports(eスポーツ)を舞台に職業プロゲーマーが世界中に誕生していますが、実はチェスもオンライントーナメントで賞金を稼ぐプロプレイヤーがいるe-sportsの一種だという事はあまり知られていません。
しかも2020年のe-sports全体での賞金獲得ランキング1位の選手は、他のゲームを抑えて、チェス界歴代最強と名高いマグヌス・カールセン選手が獲得しました。当然ネット上のトーナメントだけの賞金だけでです。
そんなe-sportsとしてのチェスの一面について解説していきます。
そもそもe-sportsとは
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e-sportsとは、エレクトロニック・スポーツの略で、電子機器を用いて行う競技全般のことです。
要はプレイステーションやNintendoSwitchのような家庭用ゲーム機、ゲームセンターにおいてあるような対戦用ゲーム機、パソコンなどを用いて対戦を行うなら全部e-sportsという事です。
歴史的には1990年代のストリートファイターやKOFをはじめとした格闘ゲームブームがe-sportsの最初のブームと言えます。
現在では格闘ゲームだけでなく、ぷよぷよやテトリスといったパズルゲームなども含まれ、世界的にはフォートナイトのようなFPSや、Dotaのようなチーム戦略ゲームなどの方がプロプレイヤーが賞金を争う競技としては盛況です。
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そして本来はe-sportsではなかったチェスや将棋といったボードゲームも、オンライン対戦が主流となってきた2000年代以降は、パソコンやスマホを用いて対戦するようになったことからe-sportsと言えるようになったわけです。
プロe-sportsとしてのチェス
チェスにはもともと大きなトーナメントでは上位選手に賞金が出ますが、オンラインでもトーナメントが開催されており、通常の大会と同様に賞金が出ます。
オンライントーナメントを開催している運営者は以下の3サイトが多いようです。
賞金額の比率的にはChess.com : chess24.com : lichess.org = 3 : 6.5 : 0.5程となっており、chess24がかなり多くの金額を選手に支払っています。
1つのトーナメントでの最高賞金総額はchess24主催のFTX Crypto Cupで30.4万ドル、1位選手の最高賞金額は同じくchess24主催のMagnus Carlsen Chess Tour Finals benefiting Kivaで14万ドルです。
ちなみにどちらもマグヌス・カールセン選手が優勝しています。特に後者は自分の名前を関しているだけに負けられない戦いがそこにあったようです(管理人の妄想)。
e-sportsチェスでの獲得賞金ランキング
2021年10月現在までにオンライントーナメントで獲得した生涯トータルの賞金ランキングです。
Player Name | Total(米ドル) | |
1 | マグヌス・カールセン | 743,792 |
2 | ヒカル・ナカムラ | 441,346 |
3 | ウェスリー・ソー | 414,738 |
4 | イアン・ネポーニャシー | 198,545 |
5 | アニッシュ・ギリ | 171,945 |
6 | ダニール・デュボフ | 130,892 |
7 | レボン・アロニアン | 220,082 |
8 | ディン・リーレン | 137,033 |
9 | ティモール・ラジャドフ | 112,018 |
10 | マキシム・ヴッシャ・ラグラーフ | 144,663 |
ちなみにオンラインチェスのトーナメントの賞金が大幅に引き上げられたのが2020年からなので、生涯獲得賞金と言ってもほぼ2020年と2021年の獲得賞金の合計です。
例えば1位のカールセン選手だと、2020年の獲得賞金が51万ドル、2021年が10月までで20万ドルとなっています。
これは主に新型コロナウィルスのパンデミックのせいで、リアルで顔を合わせてのトーナメントが難しくなったことの反動で、オンラインへスポンサーが流れたせいだと考えられます。
関連ページ:現世界王者のマグヌス・カールセンが強すぎる件
2020年のe-sports全体の獲得賞金ランキング
Player Name | Total (Year) | |
1 | マグヌス・カールセン | $510,586 |
2 | Jiang, Tao | $484,965 |
3 | Lin, Heng | $484,965 |
4 | Ma, Tengfei | $484,965 |
5 | Zhou, Kuan | $484,965 |
2020年はマグヌス・カールセン選手がe-sports全体でも獲得賞金1位を取得しています。チェスプレイヤーとしては次点で12位にナカムラ選手がいます。
コロナの影響で他の競技の賞金がのきなみ下がった中で、逆に上がったオンラインチェスでぶっちぎりに稼いでいたというのがタイミングよくかみ合った結果のようです。
ちなみに2-5位の選手たちは全員同じゲームの同じチームの選手なので、賞金額が全く同じになっています。
関連ページ:チェスのプロプレイヤーの獲得賞金ランキング【意外と少ない!?】
関連ページ:チェスがスポーツと言われる理由