2020年9月時点におけるFIDEレーティングの世界ランキングです。
世界最強のグランドマスターはいったい誰なのかが一目でわかるのがこのレートランキングとなっています。
歴代最強と言われるマグヌス・カールセンや日系最強のナカムラヒカルはいったい何位に入っているのでしょうか?
参考ページ:https://ratings.fide.com/
前年のランク:【2019年】世界のチェスのレートランキング【過去データ】
注:FIDEレーティングには対局の持ち時間によりスタンダード、ラピッド、ブリッツの3種類がありますが、ここではスタンダードのレーティングのランキングとなっています。持ち時間に関する記事はこちら。
また現在もプレイしているアクティブの選手のみのランキングとなっています。
1位 2863 マグヌス・カールセン(ノルウェー)

- 性別:男性
- 出生年:1990年
- レーティング:Std:2863 Rpd:2881 Blz:2886
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:1位
- 国別ランク:ノルウェー1位
- エリアランク:ヨーロッパ1位
- 備考:現世界チャンピオン(2013年から)。歴代最高レーティング記録2882を保持。
過去を含め最強のチェスプレイヤーは?と聞かれたときに真っ先に名が挙がるのがこのカールセンだろう。グランドマスターになったのは13歳4か月の時(2004年)、世界ランキング1位を初めて取ったのは19歳の時(2010年)、初めて世界チャンピオンになったのは22歳の時(2013年)。
関連ページ:現世界王者のマグヌス・カールセンが強すぎる件
外部リンク:マグヌス・カールセン(Wikipedia)
注:世界チャンピオンとレーティング1位はイコールではない。世界チャンピオンは、その時の世界チャンピオンの座にある相手に勝つことでなることができる。レーティングは全ての公式戦の勝ち負けで計算されて算出される。
極論を言うとレーティングがすごく低くても、世界チャンピオンマッチに出られて勝てるのであれば世界チャンピオンになれる。
2位 2835 ファビアーノ・カルアーナ(アメリカ)

- 性別:男性
- 出生年:1992年
- レーティング:Std:2835 Rpd:2773 Blz:2711
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:2位
- 国別ランク:アメリカ1位
- エリアランク:南北アメリカ1位
- 備考:イタリア系アメリカ人。歴代3位の2844のレーティング記録を持つ。また14歳11ヵ月でグランドマスターになったのは、アメリカおよびイタリアでは歴代最速。
2018年に世界チャンピオンマッチでマグヌス・カールセンに挑戦。12回連続で引き分けの末にタイブレークにもつれ込むが、3連敗して惜しくも世界チャンピオンにはなれなかった。
外部リンク:Fabiano_Caruana(Wikipedia.En)
3位 2791 ディン・リーレン(中国)

- 性別:男性
- 出生年:1992年
- レーティング:Std:2791 Rpd:2836 Blz:2788
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:3位
- 国別ランク:中国1位
- エリアランク:アジア1位
- 備考:名前の漢字表記は丁 立人。中国で歴代最高レーティング2816の記録保持者。2017年から2018年にかけて100連続不敗(29勝71引き分け)という当時最高の連続不敗記録を樹立した(2019年にカールセンに破られる、記録は101)。
ブリッツルールでのレートランクはカールセンより高く、1位のナカムラヒカル(日系アメリカ人)に次いで2位。ブリッツルールとはなんぞやという方はこちらを参照。
外部リンク:Ding_Liren(Wikipedia.en)
4位 2784 イアン・ネポーニャシー(ロシア)

- 性別:男性
- 出生年:1990年
- レーティング:Std:2784 Rpd:2778 Blz:2785
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:4位
- 国別ランク:ロシア1位
- エリアランク:ヨーロッパ2位
- 備考:17歳でグランドマスター獲得。2013、2015年のチームワールドカップで金メダル獲得をするなど多くの大会で優勝している。
2020年に入り自身の最高レーティングである2784を獲得し、昨年の世界6位から4位まで順位を上げてる。
過去の成績ではラピッドやブリッツなどの早指しの方が良い成績を収めているが、2020年に関してはスタンダードの順位の方が良い結果となっている。
ちなみに名前のカタカナ表記があっているかどうかは不明。ロシア語の名前は何度聞いても聞き取れない。海外では相性のNepo(ネポ)と呼ばれることも。
外部リンク:Ian_Nepomniachtchi(Wikipedia.en)
5位 2778 マクシム・ヴァシェラグラヴ(フランス)

- 性別:男性
- 出生年:1990年
- レーティング:Std:2778 Rpd:2860 Blz:2822
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:5位
- 国別ランク:フランス1位
- エリアランク:ヨーロッパ3位
- 備考:14歳の時にグランドマスターを獲得。個人最高レートは歴代7位となる2819。最高位は2016年時の世界2位。名前が長いのでよくイニシャルのMVLと略される。
早指しに強く、特にラピッドルールではカールセンに次ぐ世界ランク第2位。ラピッドルールとはなんぞやという方はこちらを参照。
外部リンク:Maxime_Vachier-Lagrave(Wikipedia.en)
ちなみに若い頃に将棋の羽生さんとチェスと将棋を同時に指したことがある。

6位 2777 アレキサンダー・グリシュク(ロシア)

- 性別:男性
- 出生年:1994年
- レーティング:Std:2777 Rpd:2784 Blz:2765
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:6位
- 国別ランク:ロシア2位
- エリアランク:ヨーロッパ4位
- 備考:17歳でグランドマスター獲得。過去最高位は2014年に自己最高のレート2810を取得した際の世界3位。
2019年11月時点で8位だったグリシュクが11月12月にポイントを獲得した結果、2020年は順位を上げてきた。
ちなみに珍しく日本語のWikipediaのページがあるチェス選手(なお長らく更新されていない模様)。
外部リンク:アレキサンダー・グリシチューク(Wikipedia)
7位 2772 レボン・アロニアン(アルメニア)

- 性別:男性
- 出生年:1982年
- レーティング:Std:2772 Rpd:2768 Blz:2818
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:7位
- 国別ランク:アルメニア1位
- エリアランク:ヨーロッパ5位
- 備考:旧ソ連出身。FIDEワールドカップ2度優勝、レーティングの過去最高位は2012年の世界2位。2014年に記録したレーティング2830は歴代4位である。
アルメニアでは非常に人気があり、ベストスポーツマン賞やアルメニア名誉スポーツマスター賞を受賞している。その人気からCNNはアロニアンのことを「まるでチェス界のベッカムだ」と評している。
外部リンク:Levon_Aronian(Wikipedia.en)
番外編:2812 ガルリ・カスパロフ(ロシア)

- 性別:男性
- 出生年:1963年
- レーティング:Std:2812 Rpd:2783 Blz:2801
- タイトル:GrandMaster
- 世界ランク:3位
- 国別ランク:ロシア1位
- エリアランク:ヨーロッパ2位
- 備考:現在プレイしていない非アクティブプレイヤーなので除外。表示順位はアクティブプレーヤーであった場合の順位。
伝説的なチェスプレーヤー。22歳の時に世界チャンピオンになってからその後2000年までその座を保持し続けた。また1999年に出した最高レート2851は、カールセンに抜かれるまで13年間FIDEの最高値であった。
世界チャンピオンだった1990年代にIBMのコンピューターチェスマシン「ディープブルー」に人類代表として挑み敗北したことはあまりにも有名。
現在は政治家として活躍。反プーチン派として民主化を求めているので、ひっそりと消されそうで非常に怖い。
2014年にはニコニコ動画の将棋電王戦FINALの振り駒と、将棋の羽生善治四冠(当時)とのチェス対局のために来日した。

関連ページ:世界王者ガルリ・カスパロフとチェスAI「Deep Blue」
日本人はどれくらい?
2020年9月現在の日本の1位のレーティング保持者は14歳の中学生の岡玄(オカヒカル)さんです。ただしコロナの影響もあるのか1年以上レーティングの更新がないため非アクティブの状態となっています。
彼のレーティングは2421なので世界ランクでいえば2400位前後(非アクティブ含む)です。
もし岡さんがマグヌス・カールセンと対局した場合、レート差450なので期待値0.06から推定すると2%で勝利し、8%で引き分けるぐらいの戦績が予想されます。
また将棋の羽生善治さんもチェスの強豪として有名ですが、2020年現在はレーティング2399で日本2位。羽生さんも岡さんと同じく非アクティブ状態です。
ちなみにアクティブ状態での日本1位はレーティング2386の小島慎也さんです。
日系人まで枠を広げると、トップ10の常連の日系アメリカ人のナカムラヒカル(中村光)さんが2736で世界18位、ブリッツルールではなんと世界1位となっています。
関連ページ:チェス・将棋のランキング記事一覧
関連ページ:【2019年】世界のチェスのレートランキング【過去データ】