チェスのルールとして必ず覚えておかなければならないものの一つに、このチェックメイトがあります。
なぜなら相手をチェックメイトすれば勝ち、逆に自分がチェックメイトになったら負けというのがチェスのルールなので、チェックメイトが分からなければチェスを指すことはできません。
このページではチェックメイトの基礎と頻出パターンを5個解説しますので、覚えておくようにしましょう。
目次
チェックメイトの基礎
チェックメイトとは

チェックメイトまたは単にメイトとは、将棋用語でいうと詰みのことです。
キングにチェック(王手)がかかった状態で、なおかつキングが逃げたり、チェックをかけている駒を取ったりしてチェックを外すことができない状態のことです。
相手をチェックメイトすれば勝ち、チェックメイトされると負けです。
チェックメイトに必要な最低限の駒
チェスはゲームが進むたびに駒がどんどん減っていきます。
そしてある程度以上減ってしまうと、相手をチェックメイトできなくなるので、そうなってしまうと負けまたは引き分けのどちらになります。
以下の駒の状態になると相手をチェックメイトすることができなくなります。
- キングだけ
- キングとナイト1個
- キングとビショップ1個
- (キングとビショップだけ[すべて同じ色のマスにいる])
最後のはポーンのプロモーション(成り)でクイーンではなくビショップにわざとしない限りならないので、かっこでくくっています。
またキングとナイト2つの場合は、理論上はチェックメイトできますが、相手が自分から詰まされる位置へ移動しなければならないので、実践的にはチェックメイトはほぼ不可能です。
メイトの基本の駒
チェックメイトをする際に最も基本となる駒はクイーンとルークです。
ビショップやナイトはそれらでメイトするというよりも、クイーンやルークでメイトするために相手キングの動ける範囲を狭めるというサポート的な役割で使うことの方が多いです。
なのでまずはクイーンやルークでのメイトの形を覚え、その形に誘導するために他の駒をどう使うかを考えてみましょう。
メイトの意識
駒が少なくなったあとはキングは壁際に、できれば角に押し込むと詰ませやすいということは覚えておきましょう。
チェスではないですが将棋の格言で以下の二つがあります。
- 中段玉、寄せ難し
- 玉は下段に落とせ
逆に駒が多い時に関しては、中段ではキングを詰ませにくいのは同じですが、チェックをかけながら駒を取れるので、駒が多い時は相手のキングを引っ張り出せるなら引っ張り出した方が有利に戦えます。
覚えるべきチェックメイトのパターン5選
頭クイーン

クイーンと何かほかの駒との組み合わせでできる初歩的なメイトです。
将棋の頭金になぞらえて日本では頭クイーンと呼ばれることがあります。
以下は良く現れる応用です。

上図ではクイーンをe2からg4に動かした場面です。(赤矢印)
頭クイーンでのチェックメイトを狙いつつルーク取りをかけています。(緑矢印)
チェックメイトが目的ではなく、駒得が狙いとなっています。
ボックスメイト

キングで前方向を3つを抑えて、ルークまたはクイーンで横一直線に判定を当てて詰ませるのをボックスメイトと言います。

キャスリング後の形で、ポーンや他の駒がキングの前方向を塞いでいれば、同じように横から一直線の攻撃でチェックメイトできます。
上図の形は特にバックランクメイトという名前が付いています。
コーナーメイト

先述のボックスメイトの角っこバージョンです。
相手キングが端にいるので、自分のキングが正面ではなく斜め前でもメイトが成立するタイプのボックスメイトです。
うっかり負けてしまうメイト

キングの斜め前のポーンは初期配置ではキング以外では守られていません。
そのためここに攻撃判定を重ねられ、クイーンで突っ込まれると一発で詰んでしまうことが多々あります。
この一例としてよく挙げられるのが以下のスカラーズメイト(学者メイト)と呼ばれる初手からの手順です。
後手はオープニングの基本通りに、中央ポーンを上げてナイトを活用していますが、うっかりキングの斜め前のポーンのケアを忘れたためにメイトされてしまうというものです。
こちらはフールズメイトと呼ばれる、チェックメイトまでの最速手順です。
これもキングの斜め前の位置に動ける駒がないことで、合駒することができずに詰んでしまうパターンです。
スマザードメイト(吊るし桂)

あまり現れませんが、決まるとすごく気持ちのいいスマザードメイトもご紹介しておきます。
キングが駒に囲まれて動けない状態のところに、外側からナイトの判定でチェックメイトするのをスマザードメイトといいます。
将棋でも吊るし桂(下図)と呼ばれる形で、穴熊などでしばしば現れます。

実際の投了方法
ネットチェスなどではチェックメイトになると勝手に負けになりますが、実際の対面での対局ではチェックメイトになっていることを確認出来たら挨拶して終わります。
またチェックメイト前に投了する場合は自分のキングを倒す(フリをする)、もしくは将棋のように「ありません」「負けました」と発声します。
この場合も最後に握手や挨拶をしましょう。