【オープニング】オープンシシリアンの派生3種類【ドラゴン、ナイドルフ、シュエベニンゲン】

このページはシシリアンディフェンス(1.e4 c5)の派生ページになります。

シシリアンディフェンスの定跡のうち、最もよく指されているオープンシシリアンの派生形であるドラゴンバリエーション、ナイドルフバリエーション、シュエベニンゲンバリエーションの3種類の解説とトップ棋士の棋譜紹介です。

初心者が黒番でチャンス狙いのカウンター戦法であるシシリアンディフェンスを指しこなすのは非常に難しいのですが、自分が白番の時に相手が選択することも多いので、初心者の方も知識として知っておくといいと思います。



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ドラゴン・バリエーション(5. … g6)

基本形

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 g6

シシリアンディフェンス・ドラゴンバージョンはオープンシシリアンの基本形から5手目に黒がg6とする派生です。

黒の目的

g6ポーンの下にビショップを移動させてフィアンケットを作った上でキャスリングを完成させ、キングの守備力を強化するのが目的です。


参考図:フィアンケット

また中央のポーンが減っており、フィアンケットしたビショップの通りもいいため攻撃にもかなり効いています。

6手目以降は6. Be3 Bg7 7.f3と進むことが多いです。

先手がBe3とするのは、その後Qd2としてバッテリーを組み、g7のビショップを排除する目的を持っています。フィアンケットはビショップがいなくなるとかなりの弱体化します。

トップ棋士の棋譜

ドラゴンバリエーションの例として、2018年のマグヌス・カールセン(世界1位)VSヒカル・ナカムラ(世界20位)の棋譜を以下に掲載しておきます。

ちなみにドラゴンバリエーションの何がドラゴンかというと、黒番のd~hの位置のポーンの形が「りゅう座」の形に似ているからだそうです。


出典:https://mirahouse.jp/begin/constellation/Draco.html

ナイドルフ・バリエーション(5. … a6)

基本形

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6

オープンシシリアンの派生としては一番指されているのがこの黒番5手目a6と指すナイドルフバリエーションです。

目的

a6の意味は白のビショップがb5の位置に来るのを防いでいます。

黒の狙いとしてはe5にポーンを突きたいのですが、a6を入れずに先にe5としてしまうと以下の手順で状況が悪くなってしまいます。

8手目白Nde2とした時点での両者のビショップの働きを見ると、白のビショップは道が開いており動きやすいのに対し、黒のビショップは自駒が道をふさいでいて全く活用できない状態です。

形成の差は大きくはないものの先手が指しやすいと言える局面です。

これを防ぐためにa6とするのがナイドルフバリエーションということです。

トップ棋士の棋譜

ナイドルフバリエーションの一例として、以下2017年のマグヌス・カールセン(世界1位)VSマキシム・ヴァシェ-ラグラヴ(世界3位)の棋譜です。

ちなみに名前の由来はポーランド(のちにアルゼンチンに移住)のグランドマスターのミゲル・ナイドルフから。

ボビー・フィッシャーやガルリ・カスパロフといった著名な世界チャンピオンも後手シシリアンでは好んでナイドルフバリエーションを選択していました。(カスパロフはa6の次にe5ではなくe6とするシュエベニンゲンに合流する手順をよく指していた。)

シュエベニンゲン・バリエーション(5. … e6)

基本形

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e6

黒番5手目でe6とするのがシュエベニンゲンバリエーションです。

また5手目でa6とナイドルフバリエーションにして次の手でe6とする場合もシュエベニンゲンバリエーションとされています。

目的

シシリアンディフェンスは基本的に黒番が攻撃を耐えながらカウンターの機会を狙うという戦い方ですが、シュエベニンゲンは特にその傾向が強い構えです。

中央二つのポーンがe5d5の重要な中央マスを守り、チャンスが来た時にここから開戦することができます。攻撃するためでなく守るために低く構えるe6ということです。

またナイドルフバリエーションのところで解説したBb5と白に出られる手も、e6の支えがあるためd5から開戦することができ、黒のビショップの道が開くので特に問題となりません。

白番は6手目にg4(ケレスアタック)、Be2(クラシック)、Be3(イングリッシュアタック)などの候補手があります。

これらの手はどれも黒がe6としてビショップの通りを止めたのを利用して、白がキングサイドから攻勢にでることを目的とした手です。

トップ棋士の棋譜

一例として以下は1985年のヴィシュワナータン・アナンドVSガルリ・カスパロフによる世界チャンピオン戦の棋譜です。a6(ナイドルフ)からシュエベニンゲンへの手順前後で、クラシックと合流します。

まとめ

シシリアンディフェンスは派生形が非常に多く、指しこなすのが難しい定跡の一つです。

ここで解説した3つの派生形に関しても、白番の6手目でさらに多くの派生形がそれぞれに存在しており、海外ではシシリアンディフェンスの解説を一通りするだけで何冊と本がシリーズで出ていたりします(↓のシリーズとか)。


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最初のうちは基本形ぐらいまでをきちんと覚えておいて、定跡の手順内ではあまり時間を使わないように意識するぐらいでいいと思います。

関連ページ:【オープニング】シシリアンディフェンス【1.e4 c5】

関連ページ:【チェス定跡】オープニングの一覧



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