チェスのオープニングのイングリッシュオープニングについてです。
オープンゲームやセミオープンゲームとは異なり、白の一手目だけでオープニング名が付いています。
このc4は白番が一手目に指せる20種類の手の内で、4番目に採用されることが多い手で、マグヌス・カールセンやガルリ・カスパロフ、ボビー・フィッシャーといった世界チャンピオンたちも世界選手権で採用しています。
基本形までの手順と意味
基本形まで
この1手が基本形となります。
c4の意味
ポーンc4は、d5のマスに対して攻撃判定出すことで、中央から攻めていく準備をしています。
1. e4や1. d4に比べると1. c4はメジャーな手ではありません。
しかしe4やd4は黒番にも様々なオープニングの分岐の選択肢があり、白番は相手の選んだオープニングに乗らなければいけないのに対し、c4の場合では黒番の選択肢に寄らず様々な手を比較的柔軟に選ぶことができるというメリットがあります。
そして最終的にキングスインディアンやグリュンフェルドやクイーンズギャンビットディクラインドなどの他の自分が得意な定跡に合流するように誘導するといった戦い方ができるのがイングリッシュオープニングの特徴です。
黒番の候補手
1… c5 シンメトリカルバリエーション
c4に対して黒がc5を突き返す形です。以下の進行が一例です。
1… e5 リバースドシシリアン
後手がe5とポーンを突くと、先手後手が入れ替わったシシリアンディフェンスの形になります。
そこから先の手順としてはお互いのナイトを展開するフォーナイツバリエーションがあります。
1.c4 e5 2.Nc3 Nf6 3.Nf3 Nc6
上記二つの展開は他の定跡に合流しづらいイングリッシュオープニングらしい展開と言えます。
他の候補手としては、Nf6、Nc6、e6、g6、c6などで、どれを選択しても他の定跡に合流することが多いです。
有名な対局
1851年のハワード・スタントン対バーナード・ホーウィッツの対局です。
スタントン氏はイングランド出身の世界チャンピオン(非公認)で、彼が1.c4を最初に公式の場でうまく指しこなしたことからイングリッシュオープニングと呼ばれています。
関連ページ:【チェス定跡】オープニングの一覧