チェスが強いプロ将棋棋士5名の紹介です。
チェスと将棋は同じルーツをもつゲームで、根本のルールに共通点が非常に多いためどちらか一方が強ければ、もう一方も強くなりやすいという関係があります。
そのため将棋の最高峰のプロ将棋棋士たちがチェスを真面目に学べば国内でも屈指の強さになり、実際に羽生善治氏が何度も日本ランキング1位を取っています。
そんなポテンシャルの塊のようなプロ棋士たちの中で、チェスを趣味にして、国内トップクラスの強さを誇っている方々を5名紹介します。
羽生善治
- FIDEレーティング:2399(非アクティブ)
- 最高レーティング:2415(2014年)
- タイトル:FIDEマスター
- 主な戦績:全日本百傑戦優勝(1998年、2012年)、ジャパンオープン優勝(1998年)、日本ランキング1位(2007年、2014年)
言わずと知れた将棋界のレジェンドは趣味でチェスを指しており、その実力は常に国内トップ3に入るほどです。
2016年以降はレートの動きもなく、非アクティブプレイヤーとなっています。
チェスにおける羽生氏については別ページで詳しく解説しています。
関連ページ:チェスプレイヤーとしての羽生善治
青嶋未来
- FIDEレーティング:2350
- 最高レーティング:2361(2019年)
- タイトル:FIDEマスター
- 主な戦績:第52回全日本チェス選手権優勝(2019年)、全日本快速選手権優勝(2015年)、香港のチェス大会優勝(2018年)
今回紹介するプロ棋士たちの中で唯一アクティブプレイヤーとしてチェスを指しているのがこの青嶋氏です。
2014年末にチェスを始めてすぐ次の年には大会で優勝しており、当初からプロ棋士の強さをチェスでも発揮していますが、2019年にはついに日本チャンピオンになりました。
レーティングでもアクティブプレーヤー内では日本3位、非アクティブの羽生氏を加えても4位となっており、今後1位を取れるかどうか、そしてIMのタイトルを獲得するのかどうかが注目です。
関連ページ:プロ棋士青嶋未来は2019年チェス日本王者
森内俊之
- FIDEレーティング:2310(非アクティブ)
- 最高レーティング:2331(2006年)
- タイトル:なし
- 主な戦績:フランスチャンプ(グランドマスター)と引き分け(2002年)
永世18世名人(資格保持者)である森内氏もまたチェスが強いことで有名です。
戦績については調べてもあまり出てきませんでしたが、2300を超えるレートなので国内で大会に参加しているのであれば優勝かそれに近い位置を取ったことがあるはずです。
フランスチャンプが来日した際に羽生氏、佐藤(康)氏とで3面指しを行い、唯一引き分けに持ち込んだことがあります。
ちなみにバックギャモンという違うボードゲームでは、世界選手権に参加し当時世界1位の相手に勝ち、大会自体も4位になってたりします。
佐藤康光
- FIDEレーティング:なし
- 最高レーティング:なし
- タイトル:FIDEマスター
- 主な戦績:フランスチャンプ相手に引き分けを見逃した(2002年)
佐藤康光氏は羽生氏、森内氏と同じ歳の将棋棋士で、永世棋聖(資格者)です。
FIDEレーティングがついていないことからチェスでは特に大会に参加しているわけではないようですが、グランドマスター相手に引き分けになる可能性があった局面まで持って行ける実力があるほどの強さです。
勝ってもないのにそんなにすごいの?と思った方には、今まで日本人のグランドマスターは一人も誕生していないと言えば、引き分けだったかもしれないというだけでもどれほどすごいことかはわかると思います。
ちなみに羽生氏と森内氏はジャック・ピノーさんというフランス人にチェスを習っていましたが、佐藤氏は独学だそうです。
大山康晴
- FIDEレーティング:なし
- 最高レーティング:なし
- タイトル:なし
- 主な戦績:第一期チェス選手権優勝(1963年)、第一回読売チェスオープン選手権2位(1962年)
昭和の将棋界のレジェンドと言えばこの大山康晴名人です。
彼は将棋だけでなくチェスもたしなみ、日本チェス連盟(日本チェス協会ではない)が開催した第一期チェス選手権で優勝しています。
トップ将棋棋士がチェスを指すと国内トップクラスになるのは昔からのようです。
ちなみに当時の将棋棋士の間では囲碁も打てる人が多く、大山名人は囲碁も強かったようです。
関連ページ:チェスプレイヤーの記事一覧