チェスのタクティクスのひとつであるバッテリーについてです。
バッテリーの語源であるラテン語のバトゥエレは打つ、叩くという意味で、それが転じて砲兵、大砲という意味になりました。
その語源どおり、チェスのバッテリーも駒同士が連携して相手の防御を打ち破るコンビネーションの陣形となっています。
バッテリーの概要と効果
バッテリーは、同じ列や行、斜めの筋にその方向に動ける駒を2つ以上並べて、一点に攻撃を集中させる攻撃のためのフォーメーションです。
例えば同じ列にルークを2つ並べるルーク&ルークバッテリーは以下の図のようになります。
同じ列や点を何重にも攻撃判定を重ねることで、相手は防御が難しくなります。
このように縦にルークを並べたり、クイーンとビショップを連携させたりといった攻撃方法は相手の防御を突破する初歩的かつ汎用性が高いタクティクスなのでぜひ覚えておきたいですね。
バッテリーの種類
種類
バッテリーの種類として主に「ルーク&ルーク」「ルーク&クイーン」「ビショップ&クイーン」「ルーク&ルーク&クイーン(通称アレヒンズ・ガン)」の4種類があります。
プロモーションを絡めれば「ビショップ&ビショップ」「クイーン&クイーン」「ルーク×3」などもできます。
ビショップ&ビショップは初期状態ではできません。なぜなら自分の2つのビショップの配置は白マスと黒マスの2種類となっているため、これらをどう動かしても同じ斜めのラインに並べることができないからです。
ルーク&ルーク バッテリー
最も典型的なバッテリーの形です。縦方向だけでなく、横方向でも使うことが多いです。
ルーク&クイーン バッテリー
ルーク&ルークの片方がクイーンになった形です。
前側にルークがある場合は駒得を狙うことが多いですが、逆にクイーンが前側にあって相手のキングが狙う先にある場合にはチェックメイトを狙うことができます。
ビショップ&クイーン バッテリー
ビショップとクイーンの連携で駒得やメイトを狙うバッテリーです。
前述のルーク&クイーンと同じで、前がビショップなら駒得を、前がクイーンならメイトも狙っていけます。
アレヒンズ・ガン(またはアレキンズ・ガン)
ルーク2つとクイーンを順番に縦に並べた初期の駒の中でできる最強のバッテリーです。
1930年のアレヒン対ニムゾビッチの対戦で当時の世界チャンピオンであるアレキサンダー・アレヒンがこの形を作って勝利したことからそう呼ばれています。
将棋のバッテリー
将棋では駒の制約上、複数の香車を用いた通称「ロケット」と呼ばれるバッテリーが有名です。
これにさらに飛車が加わったり、すべての香車をロケットにした4段ロケットなどもあります。
また相手の1段目に飛車を並べる通称「二枚飛車」も非常に強力なバッテリーです。