チェスの駒のルークの動きと使い方についてです。
ルークは将棋でいう飛車と同じ動きをする駒です。クイーンに次いで価値のある駒で、キングとルークが1つあれば相手をチェックメイトに追い込むことも可能です。
使い方次第で強力な駒ですが、斜めに動けないので両取りをかけられやすいので注意が必要です。
そんなルークの基本的な動きと使い方を見ていきましょう。
ルークの動かし方
ルークの初期配置
ルークの初期配置は、先手(白)はa1とh1、後手(黒)はa8とh8です。
ルークの動ける範囲
ルークの動ける範囲は、縦横どこまででもまっすぐ動くことができます。ルークとビショップを足した動きです。
移動の経路上に駒がある場合には飛び越えては動けません。
移動先に相手の駒がある場合にはその駒を取ることができます、自分の駒は取ることはできません。
キャスリング
チェスのルールにキャスリングというものがあります。
以下の条件を満たしている時に、キングを2マスだけルーク側に動かし、ルークをキングが元居た場所の隣のマスへ移動させられます。
- キングとキャスリングをするルークが共に一度も動いていないこと。
- キングとキャスリングをするルークの間に駒が無いこと。
- キングにチェックがかかっていないこと。
- キングが通過するマスに敵の駒の攻撃判定がかかっていないこと。
- 同じランクにキャスリングするキングとルークがいること。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連ページ:チェスの囲い!キャスリングについて
ルークの手筋
ピン、スキュア
ピン、スキュアどちらも相手の駒を串刺しにするように狙う手筋です。
手前にある駒の方が後ろの駒よりも価値が低い場合をピン(下図1)、前にある駒の方が価値が高い場合をスキュア(下図2)と言います。
図1 ピン
図2 スキュア
一般的にはピンは相手の駒を取るというよりは、手前の駒が動けないようにするのを目的とし、一方のスキュアの場合は、手前の駒が逃げるしかない状況で使って後ろの駒を取るのが目的です。
将棋やる方であれば下図の状態がピンと言えばわかりやすいと思います。角で歩をピンしているので急所の桂馬を取れないという、将棋指しなら必ず一度は見たことのある盤面です。
ピンとスキュアに関しては、それぞれ個別のページで解説していますのでそちらをご覧ください。
関連ページ:チェスの田楽刺し!ピン(ピンアップ)
関連ページ:意味は英語で串!チェスのスキュアについて
フォーク
フォークというのはいわゆる両取りのことです。チェスでは全ての駒でフォーク(両取り)を行うことができますが、ナイトによる両取りが食器のフォークの形に似ていることからこう呼ばれます。
ナイトによるフォーク
ルークは縦横に広い範囲に攻撃判定があるので、ビショップやナイトといった縦横に動けない駒に対してフォークをかけることができます。
フォークが決まり、ただで相手の駒を取れる状態が作れればかなり有利に戦うことができます。
こちらも将棋指しにわかりやすい例を挙げれば王手飛車取りですね。これが一番わかりやすいフォークです。
ルークの価値
チェスでは駒得、駒損の計算をする際のポイントが大体算出されています。
ポーンを1とした場合に一般的には以下のようになります。
- キング:∞
- クイーン:9
- ルーク:5
- ビショップ:3
- ナイト:3
- ポーン:1
上記の通りなので、ルークとビショップ2個の交換であれば有利になりますが、ビショップ1個やナイト1個との交換では基本的にはルークの交換は不利になります。
ルークの豆知識
ルークの由来は戦車、でも駒の見た目は塔
ルークの由来となったチャトランガ(チェスの由来のゲーム)の駒は、サンスクリット語で戦車と呼ばれています。
ペルシャ語やアラビア語でも戦車ですし、象棋(中国将棋)でも戦車、そして日本の将棋でも飛車ですので、どれも戦車由来なことがわかります。
しかしスペイン語やドイツ語では「塔」、イタリア語やハンガリー語では「砦」を意味する単語で呼ばれます。
これはアラビア語のRuhk(戦車)から発音の似ていたイタリア語のRocca(砦)になり、それがヨーロッパで広がったためと考えられます。
ちなみに英語のRookに関しては、発音がアラビア語のRuhkに似ているからこの単語が使われているだけのようで、Rook自体には塔や戦車などの意味はありません。(rookはミヤマガラス、詐欺師などの意味)
関連ページ:チェスの駒(ピース)の種類と意味、配置、動き