チェスの終盤戦であるエンドゲームの基本とその考え方についてです。
チェスの対局を大きく分けると、初手~20手前後までがオープニング、20~40手前後までがミドルゲーム、そこから終局までがエンドゲームまたはエンディングと呼ばれる局面です。
一見駒が少なくなった終盤の方が簡単そうな気がしますが、実際には比較的ミスの挽回が効く序盤中盤よりも、ポーン一つ失うだけで取り返しがつかなくなるエンドゲームの方が難しいという意見も多くあります。
どこからがエンドゲームなのか
オープニング、ミドルゲーム、エンドゲームの明確な区切りはありません。
オープニングが駒を展開し、キングの守りを固める段階、ミドルゲームが駒をぶつけながら駒得やチェックメイトを狙いに行く段階です。
そしてお互い駒が少なくなり今のお互いの駒のままではどちらもチェックメイトさせるのが難しい、つまり勝負の行方がポーンが成れるかどうかにかかっているという段階まで行くとエンドゲームと言えます。
エンドゲームの考え方
エンドゲームでは、プロモーションを意識しなければならないことと、引き分けになる条件を考えることで、ポーンや他の駒の重要性がオープニングやミドルゲームと異なります。
戦力不足
- キングだけ
- キングとビショップ1個
- キングとナイト1個
- (キングとナイト2個)
お互いがこの持ち駒になった場合は引き分け、片方だけの場合には勝負がつくか両者が戦力不足になるまで続けます。
注:キングとナイト2個は理論上はチェックメイト可能だが実践的には不可能
それを踏まえて以下の図を見てください。白の手番です。
この例では白は引き分けか負けが確定しています。なので次の一手は迷うことなくポーンを取って引き分けにする場面です。
通常であればポーンよりもビショップの方が価値が高いのですが、ビショップ一個やナイト一個では相手をどうやっても詰ますことができないので、プロモーションでクイーンに成れるポーンの方が価値が高い場合が多々あるのです。
ポーンエンディング
お互いの駒がキングとポーンだけになったエンディングをポーンエンディングと言います。
特に多くの対局で現れるのが、片方がキングと1個ポーンがあり、もう片方がキングだけという状態です。
この場合にはその残ったポーンがプロモーションできれば勝ち、取られるかステイルメイトになると引き分けという状況です。
以下がポーンエンディングの一例です。
黒は手順を間違えるとステイルメイトにすることができずに負けてしまいます。
相手にポーンが残っていてもステイルメイトの可能性が十分にあるので、この形になるように考えながら動かしましょう。
エンドゲームの勉強方法
サイト・アプリで勉強する
Chess.comやlichess.orgでは練習問題が用意されていますので、そこで勉強することができます。
オススメはlichessで「学ぶ」→「練習問題」の順で進めば無料で問題を解くことができます。
上の画像がリンクになっていますので、気になる方はサイトに行ってみてください。
本で勉強する
日本語で出版されているチェスの本自体があまり多くはないのですが、エンドゲームについてであれば以下の2冊がオススメです。
どちらも海外の名著を日本語に訳したもので、元の本よりも読みやすく整理されています。