【2020年最新版】チェスの女子世界ランキング上位7人

チェスの女性限定の世界ランキングです。

普通に世界ランキングを作るとトップ10あたりでは女性が入ることはまずありません。(ポルガー除く、後述)

しかし世界には非常に強い女性プレイヤーが数多くおり、女性だけのチェス大会も幅広く行われております。

そんな世界の女子のトップ選手はどんな人たちなのでしょうか?

このページでは女性だけのランキングを作成し、それぞれの選手の簡単な紹介をしてみましたのでご覧ください。

注:2020年4月1日時点でのレート及び順位となっています。



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1位 2658 ホウ・イーファン(中国)

  • 出生年:1994年
  • レーティング:Std:2658 Rpd:2621 Blz:2601
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:85位
  • 国別ランク:中国9位
  • エリアランク:アジア17位
  • 備考:2010~2012年、2013~2015年、2016~2017年の女子世界チェスチャンピオン。

漢字で書くと侯逸凡。ホウは14歳でグランドマスターになりましたが、これは女子の史上最年少GM獲得記録です。

またトップチェスプレイヤーとしては珍しく勉学にも励んでおり、北京大学を卒業後にオックスフォード大学のブラバトニク公共政策大学院にて修士号を取得しています。

元世界チャンプのウラジミール・クラムニクは女子で世界最高の選手であり続けたいならチェスに集中するべきと苦言を呈していますが、ホウ自身は「ベストプレイヤーでいたいのは確かだがチェスはあくまで趣味」としています。

注:レート1位と世界チャンピオンは別物。チャンピオンの座にいるプレイヤーに世界チャンピオンマッチで勝てば新たにチャンピオンになれるので、チャンピオンがレートでも世界1位である必要はない。

2位 2586 ハンピー・コネル(インド)

  • 出生年:1987年
  • レーティング:Std:2586 Rpd:2483 Blz:2483
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:293位
  • 国別ランク:インド16位
  • エリアランク:アジア46位
  • 備考:現・世界女子ラピッドチェスチャンピオン。

チェス強豪国の一つであるインドのチェスプレイヤーのコネルは、10代前半からチェスの才能を発揮しており、1999年の世界ユース選手権の12歳未満の部では、男女共同で行われたにもかかわらず優勝をしています。

そして15歳と1ヵ月でグランドマスターのタイトルを取得しました。これはホウが記録を抜くまでは女子の世界最年少記録でした。

2011年には女子の世界チャンピオンタイトルマッチで挑戦者としてホウに挑戦しましたが0勝3敗5引き分けで敗退しています。

ちなみに名前のハンピーは”Champion”からhampiの部分を取り出してインド風に付けた結果、Humpyとなったそうです。

3位 2582 アレクサンドラ・ゴヤシキナ(ロシア)

  • 出生年:1998年
  • レーティング:Std:2582 Rpd:2502 Blz:2441
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:307位
  • 国別ランク:ロシア51位
  • エリアランク:ヨーロッパ219位
  • 備考:2013・2014年U20世界女子チェスチャンピオン、2020年世界女子チャンピオンタイトル挑戦者。

FIDEマスターの父とキャンディデイトマスターの母というチェス界のサラブレッドとして生まれたゴヤシキナは、2008年には10歳未満の世界ユースチェス選手権で優勝、2011年には14歳未満の部で全勝優勝しています。

そして2013、2014年の20歳未満の部でも優勝し、2015年には世界女子チェスチャンピオンシップに出場、トーナメントの2回戦まで進みますがアンナ・ミュジチュクに敗れます。

それから4年後の2019年、世界女子チェスチャンピオンシップに再度出場し、挑戦者候補8人のうちの1位となり、2020年の世界女子王者のタイトル戦の挑戦者となりました。

2020年の世界女子チャンピオンタイトルマッチでは中国のジュ・ウェンジュンと戦ったものの本戦で同点、そしてタイブレークにて敗退しています。

注:世界女子チャンピオンシップは、2015年は64人によるトーナメント方式で優勝者がチャンピオン、2019年は挑戦者決定戦を候補者8人による総当たり方式でやり、優勝者がその時のチャンピオンと対戦して勝利したほうがその年のチャンピオンになります。女子のチャンピオンシップの形式は数年ごとに変更されて2019年からオープンの形式と統一されました。

4位 2560 チュ・ウェンジュン(中国)

  • 出生年:1991年
  • レーティング:Std:2560 Rpd:2610 Blz:2536
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:397位
  • 国別ランク:中国21位
  • エリアランク:アジア55位
  • 備考:現・世界女子チャンピオン(2018年~)。

漢字では居文君。レーティング1位のホウに続き、中国から2人目の選手がこの位置につけているチュです。

2004年に女子のアジア選手権で3位に入ったことにより、世界女子チャンピオンシップに参加する権利を獲得、そこから2006、2008、2010、2012、2015、2017年の世界女子チャンピオンシップに挑戦しています。

そして 2017年は挑戦者決定戦を勝ち抜き、2018年に当時のチャンピオンである谭中怡(タン・チョンギ)に勝利して世界女子チャンピオンの座を勝ち取りました。

レーティングこそ4位であるものの現在まで女子の世界チャンピオンを連続で2回防衛しています。

ちなみに21歳でGMノームというグランドマスターになるために3つ集める必要がある条件をクリアしていたにもかかわらず、獲得したノームに推薦者のサインがなかったために23歳になるまでグランドマスターを獲得できていませんでした。

5位 2546 エカテリーナ・ラグノ(ロシア)

  • 出生年:1989年
  • レーティング:Std:2546 Rpd:2521 Blz:2608
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:464位
  • 国別ランク:ロシア73位
  • エリアランク:ヨーロッパ343位
  • 備考:2014年世界女子ラピッドチェス王者、2010・2018・2019年世界女子ブリッツチェス王者

ソ連生まれウクライナ育ちで現在はロシア人であるラグノは、女子のトップ選手の中でも早指しに強く、特にブリッツルールではランキング1位となっています。

関連ページ:【ルール】チェスの持ち時間【スタンダード、ラピッド、ブリッツ、フィッシャー方式】

スタンダードルールでももちろん強く、2018年には世界女子チャンピオン挑戦者決定トーナメントで64人の中から決勝まで進んだもののチュ・ウェンジュンの前に敗退しています。

ちなみに既婚者であり夫はロシアの強豪グランドマスターであるアレクサンダー・グリュシュク(2020年4月時点で世界6位)、子供も前の夫との間に1人とグリュシュクとの間に3人の計4人います。

6位 2544 マリヤ・ミュジチュク(ウクライナ)

  • 出生年:1992年
  • レーティング:Std:2544 Rpd:2506 Blz:2326
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:473位
  • 国別ランク:ウクライナ33位
  • エリアランク:ヨーロッパ350位
  • 備考:2015年世界女子チャンピオン。後述のアンナは姉。

ウクライナでプロのチェスコーチの父母の元に生まれたマリヤは、2歳でチェスの駒に触るようになるとその後は姉のアンナと競うようにチェスの腕を磨いていきました。

2002年にはヨーロッパユースの10歳未満の部で優勝、2010年にも20歳未満の部で優勝しています。

そして2015年には世界女子チャンピオンシップに参加し64人がトーナメントで競う中で優勝し、女子のチェス世界チャンピオンとなりました。

この優勝によってウクライナのスポーツの発展に大きく貢献したとして勲章を授与されています。

さらに次の年にはフォーブスによるウクライナで影響力の多い女性トップ100に選ばれ、さらにミュジチュク姉妹を記念した切手も発売されるました。

ちなみに姉妹はチェス以外にも卓球をやっているそうです。

7位 2535 アンナ・ミュジチュク(ウクライナ)

  • 出生年:1990年
  • レーティング:Std:2535 Rpd:2533 Blz:2505
  • タイトル:GrandMaster、Woman GrandMaster
  • 世界ランク:518位
  • 国別ランク:ウクライナ35位
  • エリアランク:ヨーロッパ381位
  • 備考:2014・2016年世界女子ブリッツ王者、2016世界女子ラピッド王者。前述のマリヤは妹。

ウクライナでプロのチェスコーチの父母の元に生まれたアンナは、幼少の頃より妹のマリヤと競うようにチェスの腕を磨いていました。

ユース時代はヨーロッパおよび世界選手権で多くのメダルを獲得しており、その頃の成績では妹のマリヤをかなり上回っています。

2004年、14歳の時にスロベニアチェス連盟に所属となり、そこから2014年まではチェスの国籍はスロベニアとなり、レーティングではスロベニア女子で最強、そして世界でも女子では3位となりました。

2014年には世界女子ブリッツチャンピオンシップで優勝、2016年には世界女子ラピッドチャンピオンシップでも優勝し、ブリッツのチャンプの座も防衛しました。

しかし世界女子チャンピオンシップでのチャンピオン獲得はいまだになく、最高順位は2017年の2位です。

過去最高レートは2600を超えており、これはユディット・ポルガー、ハンピー・コネル、ホウ・イーファンを含めて女子では4人しか達成していません。

番外編:2675 ユディット・ポルガー(ハンガリー)

  • 出生年:1976年
  • レーティング:Std:2675 Rpd:2646 Blz:2736
  • タイトル:GrandMaster
  • 世界ランク:67位
  • 国別ランク:ハンガリー3位
  • エリアランク:ヨーロッパ44位
  • 備考:歴代最強の女性チェスプレイヤー

非アクティブプレーヤーなので上記のランキングには入れませんでしたが、現在でもアクティブ・非アクティブ全て含むランキングでは女性の中で1位なのがこのユディット・ポルガーです。

15歳4か月でグランドマスターになっており、これは当時ボビー・フィッシャーが持っていた最年少記録を破った新記録となりました。

過去最高レートは2735で、これは歴代の女性で唯一の2700越えです。さらに2000~2015年3月までレイティングリストでアクティブになった際には常に女性で1位のレートを保持しています。

また男子も含めた世界ランキングで2005年に最高8位を記録しており、世界チャンピオンシップに参加した初めての女性プレイヤーとなりました。

一方で女子の世界チャンピオンには1度もなったことがありません。

というのもユディットは「女性と男性は同等の思考力を持っているので特別扱いされるはおかしい」との考えから、女性だけの大会に一切出ないことで有名で、もし仮に出場していれば確実に世界チャンピオンになっていたでしょう。

過去には元・世界王者のガルリ・カスパロフを破ったこともあり、多くのチェスプレイヤーが彼女のことを史上最強の女子プレイヤーだとしています。

ちなみにユディットはIQ170、カスパロフはIQ190と言われており、知能の高い人の代表格としてどちらもよく引き合いに出されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本のトップクラスの選手、例えば将棋の羽生さん(元国内レート1位)でさえレートは2400前後なので、ここで紹介した選手はチェスとはいえ羽生さんに普通に勝利する人たちばかりです。

特に最後に紹介したユディット・ポルガーは男性選手でも勝てる人は限られているほどの強豪です。

将棋では今のところ男性を圧倒するような女子選手がいないので想像しづらいですが、世界クラスになればすごい選手がいるものですね。

関連ページ:チェス・将棋のランキング記事一覧



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