将棋やチェス、囲碁を「プレイする」を日本語でいう場合の「指す」と「打つ」の違いについてです。
将棋や囲碁をやっている人であれば「将棋を打つ」「囲碁を指す」と言ってしまい細かいことが気になるおじさんに訂正されたことが誰しもあるはずです。
これらは確かに正しい使い方ではなく、正しくは「将棋を指す」「囲碁を打つ」です。
この二つの違いはいったい何なんでしょうか?その理由を見ていくと日本語でいうなら「チェスを指す」という理由も分かります。
「指す」と「打つ」の違い
結論を先に述べますと盤上の駒を動かす場合は「指す」、盤外から駒や石を盤内に持ってくる場合には「打つ」を使います。
この理由により将棋は指すもの、囲碁は打つものなのです。
実は将棋では「打つ」も使われます。それは相手から取った手持ちの駒を盤上に置くことを「打つ」と言うのです。
NHK杯などを見ていると読み上げのお姉さんが「3三金打ち」などと言っているのを聞いたことがあると思いますが、盤外から駒を持ってきたら打つというルールに従って、将棋でも打つを使うのです。
このルールが分かれば他のボードゲームでもどちらを使うかはわかります。
- チェス:指す
- オセロ:打つ
- 五目並べ:打つ
- チェッカー:指す
このような感じになります。
将棋が所属するチャトランガ系列のゲームはチェス、象棋、マークルックなどすべて「指す」ゲームです。
ただ西洋のゲームは基本的には「プレイする」というようにカタカナ英語をそのまま使うことの方が多いです。
ちなみに定跡と定石の違いについても別のページで解説していますが、たまたまかもしれませんが「指す」を使うゲームでは「定跡」、「打つ」を使うゲームでは「定石」を使うことが多いです。
関連ページ:定跡・定石
「指す」と「打つ」を使い始めた由来は?
指すの由来
将棋をなぜ「指す」と言うのでしょうか?
普通に考えれば「将棋をする」と言いそうなところですが、昔から慣用的に指すと言います。
初めて日本で「将棋を指す」と表現した文章は、1540年の飛梅千句に収録されているもので「しやうぎさす ののみや人に雨ふりて」というものがあります。
参考外部リンク:http://lapis.nichibun.ac.jp/haikai/haikai_i140.htmlの0025番
このように言われ始めたのは、一説には将棋の駒を手に取り、盤に置く時の指の形と動きが、指を指しているように見えるからと言われています。

打つの由来
打つの由来の一説として中国語が語源という説を発見しました。
中国では「打つ」という動詞を様々なものに使うようで、中国将棋の象棋も中国語では打つですし、ファックスも打つ、電話も打つと言います。
元々中国由来の囲碁なので、ゲームと一緒に用語も中国語がそのまま入ってきていてもおかしくはないと考えられます。
参考外部リンク:http://www.jca-chess.com/question.htm