チェスがスポーツと言われる理由

チェスがスポーツと言われている理由についてです。

チェスはマインドスポーツという考えるスポーツにカテゴリー分けされており、IOC(国際オリンピック委員会)がオリンピック競技を選考する際の基準もきちんと満たしているので、実はオリンピック競技に成りえるほど立派なスポーツなのです。

しかし一般に考えられている陸上競技や競泳などのスポーツとチェスは大きく違うように思えます。

なぜチェスもスポーツと言われているのか、その理由を解説いたします。



こちらの記事もオススメです

スポーツの定義

そもそもの話として、何がスポーツで何がスポーツでないかを判断するには、スポーツの定義を知っておく必要があります。

wikipediaのスポーツの項目には以下のような解説があります。

スポーツが指す内容

その原義は現在も保持されているが、意味するものは時代とともに多様化している。

17世紀 – 18世紀には、sportは伝統的貴族や新興階級の地主ジェントリの特権的遊びである狐狩り等の狩猟を筆頭に、競馬やディベート(弁論)、歌劇や合奏の競演、カードゲームや盤ゲームなど多岐にわたった。

しかし19世紀に入ると、権威主義に対抗した筋肉的キリスト教 (en:Muscular Christianity) 運動や、運動競技による人格形成論が台頭、貴族階級から開放され労働階級によるスポーツの大衆化が進んだ。近代になると統括組織(競技連盟など)によって整備されたルールに則って運営され、試合結果を記録として比較し、娯楽性よりも記録の更新をよしとする競技を第一に意味するようになった。日本でも国民の身体的健康を目的として運動競技=スポーツを推奨し、現在まで定着した。

20世紀末ころから、エンジンのついた乗り物で競技(競走)をすることも「モータースポーツ」などと呼ぶことも行われるようになった。

スポーツ | Wikipediaより

要約すると17、18世紀ごろはスポーツ = 貴族の娯楽・遊び全般だったのが、19世紀以降の近代ではスポーツ = 運動競技となったということです。

元々のスポーツの定義でいえばチェスはスポーツに間違いなく該当していましたが、現代のスポーツの意味とは異なっているようです。

しかしここで現れたのがマインドスポーツという概念でした。

マインドスポーツという概念

マインドスポーツという概念は、1996年にマインドマップの生みの親であるトニー・ブザン氏によって「バックギャモンは記憶力や判断力といった脳の肉体的能力を使うのでスポーツである」と提唱されたのが最初と言われています。

1997年にはブザン氏によってマインドスポーツオリンピアードというボードゲーム、カードゲームを中心にしたマインドスポーツの大会が行われています。

これはスポーツ = 運動競技という概念を変えるための試みでした。

その後、囲碁やチェスといった国際連盟で作られる国際マインドスポーツ協会がIOCに働きかけることによってワールドマインドスポーツゲームズという大会が2008年に行われており、これによりマインドスポーツはIOCのお墨付きをもらうことができたことになります。

そして現在は、マインドスポーツに加えe-スポーツという分野も伸びてきたことで、スポーツの定義の幅が17~18世紀のオリジナルに近づいていると言えます。

スポーツの定義
  • 17・18世紀:貴族たちの遊び・娯楽全部
  • 19・20世紀:運動競技全般
  • 21世紀現在:運動・頭脳種目(競技性があるもの全般)

チェスがスポーツである理由

ここまでで、現代ではマインドスポーツという概念により、頭脳を使う競技もスポーツとみなされるということが分かりました。

そしてチェスはマインドスポーツで最も競技人口が多いのです。

つまりマインドスポーツの代表を挙げろと言われれば、まず最初に出てくるのがチェスであり、マインドスポーツがスポーツならば、チェスがスポーツなのは当然というわけです。

さらに国際オリンピック委員会(以下IOC)による承認もこれを後押ししています。

IOC承認国際競技団体連合(以下ARISF)というIOCの組織の一つにFIDE(国際チェス連盟)は加盟しています。

IOCが新しくオリンピック競技を選考する際にARISFに加盟している競技から選ぶと言われており、実際に2020年の東京オリンピック新種目5種もすべてARISF内の競技から選ばれています。

チェスがスポーツの祭典のオリンピック競技の候補の一つであると言われれば、チェスがスポーツであるというのは明白です。

ちなみに2024年のパリ五輪において、チェスが追加競技または公開競技として登場する可能性があります。

詳しくは別記事で解説していますのでそちらを参照してください。

関連ページ:オリンピック種目としてのチェス競技

まとめ

以上がチェスがスポーツと言われる理由の解説でした。

チェスはオリンピック種目として採用されるだけの条件をすべて揃えてはいるのですが、IOCの明文化していない方針の中に「運動競技に限る」というものがあるという噂ですので、これが邪魔をしているようです。

もしオリンピックで公開競技でもいいから採用されれば、チェスおよびマインドスポーツがスポーツという認識が広まるものと思います。

ちなみに2000年以降のインターネットの普及のおかげで、オンライン対戦が増えた結果、新たなジャンル「eスポーツ」にチェスも参戦しています。

詳しくは別記事で説明していますので、そちらを参照してください。

関連ページ:【オンライン】e-sportsとしてのチェス【賞金は1000万円以上も!】



チェスしたいけど相手がいないわ。日本でチェスするハードル高すぎワロタ
はっ?Chess.com使ってないの!?
何それ?
チェスの対局サイトで世界一利用者多いやつ。アメリカのサイトだけど日本語にも対応してるし、無料で好きなだけ対局できるし、チェスやってる人は大体登録してるね。元日本チャンプの小島慎也さんとか南條遼介さんとかも普通にいるよ。
説明乙。ちょっと登録してくるわ

世界中の人と対局しよう!

Chess.comのサイトへ行く