ネットフリックスオリジナルドラマ「クイーンズギャンビット」の第六話に出てくるチェス用語やチェスに関する発言について解説していきます。
レビューや感想ではないのでストーリーのコア部分についてのネタバレはありません。
用語
タイトル:中断
原題はAdjournmentで、直訳は延期といった意味ですが、チェスで使う場合には長時間の対局で日をまたぐ時にゲームを中断することを言います。
中断する際には第四話の部分で解説した封じ手も同時に行うことがほとんどです。
関連ページ:【NetFlix】クイーンズギャンビット第四話の用語解説【ミドルゲーム】
発音はアジャーンメント、ストーリー的には何がおじゃんになる・・・じゃなくてあじゃーんになるのか。
サクリファイス
捨て駒のこと。直訳は生贄。
もちろんただ単に捨てることをサクリファイスと言うのではなく、何かしら目的があって駒を捨てることをサクリファイスと言います。
ベスは先を読む力に自信があるがゆえに、有利になると判断したら駒を捨てることを厭わない指し回しであることがうかがえます。
実在のプレイヤーとしてはボビー・フィッシャーや、もっと昔で言えばポール・モーフィーなどがこのタイプで、劇中でもベスの指し方はモーフィーと同じタイプと言われています。
第六回のベスとベニーとの3局目は、モーフィーVSカール侯爵の棋譜の再現となっていて、神を生贄に捧げるクイーンをサクリファイスする一局です。
関連ページ:【チェスの手筋】サクリファイス【捨て駒】
ベニー「退屈なんだろ?ルーベン・ファインの本やその誤りを指摘する・・・」
ルーベン・ファインは1930~1950年に活躍したチェスプレイヤーで心理学者。
当時の世界的にトッププレイヤーの一人でしたが、チェスにおいても心理学においても多数の本を執筆したことでも有名な人らしいです(wikipedia情報)。
ベニーからすればその本は退屈なようです。
第二話のカロカンディフェンスに関してもそうですが、基本的には彼個人の感想であり、一般的な評価ではありません。
詰めチェス
詰め将棋のチェスバージョン。
英語ではChess Problem(チェスの問題)と言いますが、日本でもそのままカタカナ読みでチェスプロブレムと言うことの方が多いです。
いくつか詰め将棋とルールが違いますが、その中でも大きなものは以下の二つです。
- チェック(王手)にならない手もOK。劇中の問題も1手目はチェックではない
- 〇手というのは自分の駒が動く回数なので、チェスの3手詰めは詰め将棋でいうところの5手詰めのこと
ちなみに以下が劇中のチェスプロブレムの問題と答えです。
自分のキングを倒す(倒すふりをする)
降参の意味です。
他には握手を求める、負けましたと伝えるなどが降参をするときの方法です。
ベニーは「ちゃんとした大会では駒は倒さない」と言っているので、フォーマルな方法ではないようです。
まとめ
3度目のダドリー、初登場の時は1話使い捨てのキャラだと思ってました。
関連ページ:【Netflix】クイーンズギャンビットの記事一覧