定跡・定石

チェスの定跡(オープニング)についてです。

定跡・定石というのは、ボードゲームなどにおいて先人の研究により先手後手がそれぞれ最善であると思われる手の一連の応手のことです。

定跡・定石というと一般的には序盤での定跡のことを言いますが、囲碁においては盤面が広く使われるため部分部分での定石があります。

定跡名の多くには名前がついており、例えば将棋では「相横歩取り」「相矢倉」のようにその駒の形そのままのものや、「藤井システム」「森下システム」など人の名前が付いたもの、「鷺宮定跡」のように創案者や広めた人が住んでいた場所の名前が付いたもの、「鬼殺し」「塚田スペシャル」のように格闘ゲームの必殺技のようなものまで様々です。

これらは後述のチェスの場合でもほぼ同様です。

このページではチェスにおける定跡の基本的な考え方・目的などの解説をしていきます。

具体的なオープニングの手順についてはオープニングの一覧をご覧ください。



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定跡?定石?どっちが正しい?

「じょうせき」と入力して変換してみるとどちらも出てきます。つまりどちらも日本語として正しくあるのですがきちんと使い分けがあります。

「定石」とは、囲碁やオセロ、チェッカーなどのように石を使ったボードゲームにおける「じょうせき」です。

一方「定跡」とは、将棋やチェスなど駒を使った(言い換えれば石以外を使った)ボードゲームにおける「じょうせき」のことです。他にもチャトランガ、シャンチーなどは「定跡」の字を使います。

チェスにおける定跡

チェスにおいては序盤定跡はオープニングと呼ばれ、様々なパターンが昔から知られております。

前述の将棋の例に違わず、形から名付けられている「クイーンズ・ギャンビット」「フォー・ナイツ・ディフェンス」や、人の名前から取られている「ルイ・ロペス」「ポンチアニ・オープニング」、地名由来の「シシリアン・ディフェンス」「イタリアン・ゲーム」などなど多数あります。ただ将棋のように超必殺技みたいな名前のものは無いようです。

また駒の数が一定数以下になった場合の終盤もコンピューターによりほぼ解析済みであり、エンドゲームとしてデータベース化されています。

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チェスにおけるオープニングの目的

オープニングの手順をそのまま覚えることも一つの勉強方法ですが、それぞれの定跡はきちんと以下に掲げるオープニングの目的に沿って駒を動かしています。

つまり定跡を知らなかったり、知らない手を急に相手に指されてもこれらを意識していれば良い手が分かる可能性が高いということです。

オープニングを勉強する前にこれらを頭に入れておけば、よりオープニングの手順が頭に入るだけでなく実力も付くというものです。

①駒をできる限り多く素早く展開する

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「駒を展開する」というのは要は自分の駒をそれぞれ「いい位置」に持って行くことです。相手から見れば「嫌な位置」とも言えます。

例えば相手キングの斜めのあたりにビショップやクイーンを持ってきてポーンをピンしてみたり、相手のビショップの前の弱いポーンを狙える位置に駒を持って来たりなどです。

またそれらの駒を動かすために邪魔な駒をどかすことも展開することの一つでしょう。相手の駒の動きを制限したり、直接的に攻撃することを目的とします。

②中央を広く制圧する

「制圧する」というのは、駒の攻撃判定を当てることという表現の方が自分としてはしっくりきますが、理解するには図を見た方が早いかと思います。

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・まずは初期配置の状態です。白の駒の攻撃判定は赤で示した範囲に広がっています。


・次に白は中央のポーンを、黒は端のポーンを展開した状態です。白は赤い攻撃判定が中央を始め広く広がったことがわかります。

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・黒は同じようにポーンを二つ動かしたにもかかわらずオレンジで示したほどしか攻撃範囲が広がっていません。

これらの図は極端に示したものですが、白が中央を制圧した状態、黒はどこも制圧していない状態です。

③できる限り早くキングの安全を確保する

将棋では玉の安全の確保は穴熊や矢倉など囲いを組むことで行います。チェスでも同様で、特殊ルールであるキャスリングという動かし方をし、キングをチェスの主戦場である中央から遠ざけつつ囲います。

一例としてルイ・ロペス エクスチェンジバリエーションというオープニングのキャスリングまでの動きを下に乗せておきます。

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Bxc6 dxc6 5. O-O

④狙われやすい弱い状態のポーンを作らない

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例えば初期配置で言えば赤で丸を付けたポーンはキング以外が守っておらず、また守ろうと思っても一手でこのポーンを守る手段がないといういわゆる「弱い状態のポーン」です。

この状態を解消するために、例えばキングの前のポーンを突いてクイーンが守りに行けるスペースを開けたりする必要があります。

⑤駒同士の連携を強める

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駒同士の連携と強める、というのは他の駒に守られていない駒をできるだけ作らないということです。

例えば上の図はチェスにおける駒同士の連携の有名な例のポーンチェーンというポーンがポーンを守る形を作り出したものです。

白側のポーンの赤い攻撃判定の中に別の白のポーンが入っている状態です。こうすれば相手にタダで取られることはありません。

関連ページ:オープニング一覧

関連ページ:Chess.comでオープニングを勉強する方法



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